団体設立の想いと背景

私がこの団体を立ち上げた理由は、今の耳つぼ(耳介療法)講習会の現状に、ずっともどかしさを感じていたからです。

現在、世の中で行われている講習会では、専門的な知識や豊富な臨床経験がない方が講師を務めていることが多く、学ぶ方も本当の意味での技術や知識を身につけることができていないのが現状です。

受講者の方々はそのまま現場に出てしまい、十分な効果を出せずに悩む方や、施術を受けた方が期待していた結果を得られないケースも度々見かけるようになりました。

本来の耳介療法は、ただ耳のツボを押すだけの簡単なものではありません。

東洋医学発祥の耳介療法(耳つぼ)は、フランスのノジェ博士によって体系化され、神経学や脳科学などの知識を土台に、全身のバランスを整える奥深い技術です。

世界では医師や鍼灸師といった医療の専門家が、しっかりとしたトレーニングを受けて実践しています。

アメリカでは-戦場鍼「BFA(Battlefield Acupuncture)」と呼ばれる米空軍の軍医がノジェ式耳介療法を基盤として疼痛(体の痛み)やPTSDを抑えるために開発された耳介療法(耳つぼ)の一つの技術です。

日本でよく見かける「美容やリラクゼーションのための耳つぼ」とは、大きく異なります。

私自身、15年以上にわたり耳介療法や東洋医学の臨床現場で多くの患者さまと向き合ってきました。

その中で、正しい理論と技術をもとにした耳介療法が、人の痛みや不調を和らげたり、自然治癒力を引き出したりする力を持っていることを日々実感しています。

一方で、誤った知識や安易な施術によるトラブル、思うような効果を感じられなかったというご相談もたくさん耳にしてきました。

こうした現状を少しでも良くしたい、耳介療法の本当の価値や安全性をもっと多くの方に知ってほしい、そんな想いから、専門的な知識と豊かな経験を持つ指導者が、丁寧に教えられる場を作りたいと考えるようになりました。

少人数制で、一人ひとりの理解や技術の習得をしっかりサポートできる団体を自分自身で立ち上げることを決意したのです。

この団体では、耳介療法の歴史や理論、神経学的な根拠から、実際の現場で役立つ技術まで、幅広く学べるカリキュラムをご用意しています。

知識だけでなく、実技や症例検討も大切にし、受講される方が自信を持って施術できるよう、丁寧にサポートしていきます。

これからも、耳介療法の正しい普及と発展、そして施術を受ける方々の健康と安心のために、心を込めて活動を続けてまいります。