団体設立の想いと背景

私がこの団体を立ち上げた理由は、耳つぼ・耳介療法を学ぶ場において、より安全で、根拠を大切にした学習環境が必要だと感じてきたからです。

耳つぼや耳介療法は、一般的に「耳のポイントを押す」「耳に刺激を与える」といった簡単なイメージで紹介されることがあります。

しかし実際には、耳の形や反応の見方、刺激の強さ、身体の状態を観察する視点、安全面への配慮など、丁寧に学ぶべき要素が多くあります。

当団体では、耳介療法を特定の病気の診断や治療、症状改善を目的とするものとしてではなく、身体を観察するための補助的な学びとして捉えています。

耳介療法には、東洋医学的な考え方に加え、フランスのポール・ノジェ博士によって体系化された耳介へのアプローチなど、さまざまな歴史的背景や理論があります。

このように、約15年かけて読みつくした日本の書籍から、アメリカ、フランスの書籍、中国の書籍まであります。

ここまで専門的な本を読み込まないと、正しい知識は得られないと感じました。

また、耳には複数の神経が関わっていることから、解剖学や神経学の基礎を知ることで、より安全に、より深く学ぶことができます。

私はこれまで15年以上にわたり、耳介療法、東洋医学、身体観察に関する学びと現場での経験を積み重ねてきました。

その中で感じてきたのは、耳介療法を安全に扱うためには、単にポイントの位置を覚えるだけでは不十分だということです。

耳の反応は人によって異なり、体調、生活習慣、姿勢、ストレス、睡眠、既往歴など、さまざまな要素と関わっている可能性があります。

そのため、一つの反応だけで身体の状態を判断したり、効果を断定したりするのではなく、複数の情報を丁寧に見ながら、慎重に扱う姿勢が大切だと考えています。

また、耳介療法を学ぶ方が、誤解のない知識と安全な考え方を身につけられる場をつくることも重要だと感じています。

情報が簡単に手に入る時代だからこそ、断片的な知識だけで実践するのではなく、歴史、理論、解剖学、安全面、観察方法を総合的に学ぶことが必要です。

こうした想いから、少人数制で一人ひとりの理解度に合わせて学べる教育の場を立ち上げました。

当団体では、耳介療法の歴史や理論、耳の基本構造、観察の流れ、刺激の考え方、注意点、記録の取り方などを、基礎から段階的に学べるカリキュラムを用意しています。

実技や事例を扱う際も、効果を保証するものとしてではなく、観察方法や考え方を深めるための参考として共有しています。

受講される方が、耳介療法を医療行為や診断・治療の代替としてではなく、身体への理解を深める補助的な学びとして、安全に活用できるよう、丁寧にサポートしてまいります。

これからも、耳介療法に関心を持つ方々が安心して学べる環境を整え、正確な知識、安全への配慮、誤解を招かない表現を大切にしながら、活動を続けてまいります。